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SaaS業界の求人を見ていると、ほぼ必ず登場するキーワードが「The Model(ザ・モデル)」です。インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス——耳にしたことはあっても、それぞれがどう連携し、なぜ広まったのかを整理しきれている人は意外と少ないかもしれません。この記事では、未経験からSaaS企業への転職を検討する方に向けて、The Modelの基本構造と背景、最新トレンド、転職に活かせるスキルまでをまとめます。
The Modelとは、米Salesforce社が自社の成長過程で築き上げた営業プロセスの分業フレームワークを指します。日本では同社の元日本法人社長・福田康隆氏の著書『THE MODEL』をきっかけに広く知られるようになりました。従来の日本企業に多かった「一人の営業担当者が見込み客の発掘から契約、その後のフォローまですべてを担う」スタイルとは異なり、見込み客(リード)の獲得から受注、契約後の継続利用までを4つの専門組織に分け、データで連携させながら回していくのが特徴です。
背景にあるのは、サブスクリプション(月額・年額課金)モデルの特性です。SaaSは1回売って終わりではなく、契約後も継続して使われることで収益が積み上がります。だからこそ、各フェーズに最適化された専門チームがバトンを渡すThe Modelの考え方が機能します。
The Modelの中核は、次の4つの機能に役割を分割することにあります。
それぞれのSaaSビジネス特有の用語に慣れておくと、求人票や面接の話が一気に理解しやすくなります。
The Modelの真価は、4つの組織を「数字でつなぐ」点にあります。各チームの成果は次工程のインプットになるため、KPI(重要業績評価指標)が滑らかに連鎖する設計が前提です。
例えばマーケティングが大量にリードを集めても、質が低ければインサイドセールスの商談化率は下がります。逆にカスタマーサクセスが解約を抑え込めば、フィールドセールスの新規受注が積み上がってARR(年次経常収益)が大きく伸びます。各チームが自分のKPIだけを追うのではなく、前後のチームとの「歩留まり」を一緒にモニタリングするのがThe Model型組織の標準的な動き方です。SalesforceやHubSpotといったCRM/MAツールが当たり前に使われるのも、このKPI連携をデータで可視化するためです。
日本でThe Modelが広まったのは、おおむね2015〜2020年頃です。背景は3点あります。第一に、SaaS市場そのものの拡大です。クラウド会計、名刺管理、人事労務、SFA/CRMなどのスタートアップが次々と上場し、「The Modelをどう導入したか」が経営の標準テーマになりました。第二に、コロナ禍によるオンライン商談の一般化です。訪問前提のFSから、IS主導の非対面営業へとシフトが進み、分業モデルとの相性が高まりました。第三に、属人化していた営業活動を「再現性のあるプロセス」に変えたい、という経営課題があったことです。誰が入社しても一定の成果を出せる仕組みづくりとして、The Modelは強力な共通言語になりました。
一方で、The Modelをそのまま導入すれば成功するわけではない、という議論もこの数年で増えてきました。代表的な論点は次の3つです。
つまり今のSaaS業界では、「The Modelを知っているか」ではなく、「The Modelをベースに、自社の事業フェーズや顧客特性に合わせてどう運用しているか」が問われるようになっています。
The Model型のSaaS企業へ転職する場合、ポジションごとに評価されるスキルは異なりますが、共通して見られているポイントがあります。
未経験から狙う場合は、まずはインサイドセールスやカスタマーサクセスがエントリーポイントになりやすい傾向があります。具体的な求人比較やキャリアプランを作るうえでは、SaaS業界に強い転職エージェントに相談しながら、SaaS企業の一覧で事業フェーズや組織体制を見比べていく方法が現実的です。
Q. The Modelは中小規模のSaaSでも導入すべきですか?
A. 全社員10〜20名規模であれば、フルにThe Modelを敷くより、まず1〜2名がマーケ・IS・FSを兼務しつつ、CSだけ早めに専任化する形が現実的です。フェーズに応じて段階的に分業を進める企業が多いです。
Q. インサイドセールスとテレアポは同じものですか?
A. 重なる部分はありますが、目的が異なります。テレアポは「アポ獲得そのもの」が目的になりがちなのに対し、ISはCRMに記録された顧客情報をもとに、確度の高い案件を見極めてFSへ渡す「分析・育成」の役割を担います。
Q. 営業未経験でもThe Model型SaaSに転職できますか?
A. 可能です。とくにIS・CSは、コールセンター経験、法人向けサポート経験、企画・編集経験などからの転身事例が多くあります。SaaSの仕組みと主要KPIを学んだうえで、自分の経験をどう接続できるかを言語化することが鍵になります。